体を動かすとぐるぐる目が回る!~良性発作性頭位めまい症について~
2017年8月1日

「体を動かすとぐるぐる目が回る!」(それは良性発作性頭位めまい症の可能性が高い)

眞田文明

 寝ていて体を動かした直後にグルグルと目が回るという病気があります。大部分は良性発作性頭位めまい症と呼ばれる病気で原因は耳(内耳)にあります。

 典型的な症状は、多くの場合、早朝に、寝返りを打った直後、起き上がってトイレに立とうとした時、あるいは目覚めて床を離れようとした時にグルグルとかなり激しく目が回るというものです。耳の病気ですが聴覚の異常(聞こえが悪くなったり耳鳴りが始まったなど)は伴いません。

 ただ、めまいの持続は短く、動かないようにしてじっとしていれば数十秒、長くても数分程度で自然に止まります。

 しかし、「治ったかな」と思って動くとまた同じめまいが起こります。人によってめまいが起きる姿勢が違うのですが同じ動きをすると何度も繰り返してめまいが起きます。吐き気を伴うことも多く、吐いてしまう事もあります。

 もちろん、何回かめまいを繰り返すうちにだんだん軽くなって、そのうち起き上がれるようになります。そのあとは少しフラ~とした感じや軽い吐き気が残ったりすることがありますが多くの場合、日常の活動はたいてい出来るようになります。それでもう治ったのかな、と思っていると翌朝また体を動かした直後にグルグルと目が回るという症状が出ます。

 これは良性発作性頭位めまい症と呼ばれる病気でグルグル回るタイプのめまいでは一番頻度が多いものです。グルグル回るタイプのめまいの約三分の一(3~4割)はこの病気だと考えられています。

 症状とその起こり方を聞くと大体診断はつくのですが、それを確認するには体を動かした時の眼球の動き、めまいの起き具合で確認します。

 つまり、横になってもらったり、起き上がってもらったり、寝返りの姿勢をしてもらったりしてめまいを再現させるわけです。(これを頭位・頭位変換眼振検査と呼びます)

 原因は内耳(耳の奥のほう、音を聴く装置の隣にあります)の前庭というところにある耳石器(重力の方向や体が動かされたこと・直線的な加速度を知るセンサー)にあるカルシウム層の一部が剥がれて、つながっている三半規管(体の回転を感知するセンサー)に迷い込み三半規管に異常な刺激を与えてしまうためと考えられています。

 良性という言葉が付いているように、治療しなくても約2週間~1か月で概ね治癒すると考えられています。しかし、2か月くらいかかることもあります(その間ずっと強いめまいがある場合よりもだんだんと弱くなって消えてゆくことが多いです)。

 治療は、自然治癒するので治るまでの間にめまい感が軽くなるような薬を飲んでもらったり、もっと積極的に三半規管に迷い込んだ耳石片を邪魔にならないところへ移動させる耳石置換法という治療があります。耳石置換法は有効な治療なのですが色々に姿勢を変えたり、めまいを起こさせる治療なので吐き気の強い方、首や腰に問題がある人や高齢の方には向きません。

 良性で自然に治る病気なのですが、稀ではありますが、同じような、体を動かした直後にグルグルと目が回るという病気でも「悪性発作性頭位めまい」というものがあって、こちらは中枢性(脳に原因がある)で命に係わる可能性がある病気ですので自己診断は危険です。一度は必ず耳鼻咽喉科を受診してください。

 


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